(日の出）

　現在、江戸扇子の絵師の継承者は、私　新川花翁（かおう）をいれて数人です。

　元々、江戸扇子は、元禄年間［１６８８〜１７０４年］に、浅草仲見世「寶扇堂」久阿弥の初代金兵衛が、京都から江戸に出て、浅草寺境内で扇を売ったのが始まりと言われています。その後、３００年の歴史を誇る「寶扇堂久阿弥」で、伝統を継承。その継承者である扇面絵師・常見花扇に師事し、扇面絵師の修業を積み重ねる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（さいたま市個展会場にて）

　１９４４年５月石川県能美郡寺井町(昨年２月から合併で能美市に)に生まれる。
九谷焼の産地でその関係者も多い。美術関係を志すも、途中社会教育の重要さに目覚め、その生涯の半生を埼玉県で社会教育に注ぐ。皆様に支えられて、２００５年（平成１７年）３月退職。
　数年前、常見花扇の江戸扇子に出会う。
その魅力に取り付かれ、仕事を続けながら、修業を積み重ね、現在に至る。埼玉県鳩ヶ谷市在住。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（千才）

　
　江戸扇子は、扇面絵師の腕の見せ所。
　京扇子は絵付けの工程を分業でまかなうので、数を多くこなせるが、江戸扇子は、全ての工程を一人で行うため、手間がかかり作品の数も限られます。それは扇面絵師としての勝負どころ。まさに究極の手作り作品を生み出すチャンスです。その魅力は何物にも代えることは出来ません。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 (宝来）

　歌舞伎や日本舞踊を引きたてる江戸扇子。そして，現代の生活をより豊かにアレンジする。お部屋のインテリアとして、また贈り物や記念品として最適の江戸扇子。夏扇子も静かなブーム。
　その確かな技術をいまに伝える江戸扇子の継承者。